中小企業退職金
中小企業の退職金の状況について、従業員10人〜300人未満の中小企業について「退職金事情」についての最新の調査結果です。
中小企業の賃金・退職金事情(平成18年版)
退職金制度の有無及び形態
企業規模別では、規模が大きいほど退職金制度がある割合が高く、労働組合の有無別では労働組合のある企業(90.4%)の方がない企業(82.4%)に比べて退職金制度のある割合が高い。
支給形態別にみると、「退職一時金のみ」66,4%、「退職一時金と退職年金の併用」28.9%、「退職年金のみ」4.1%となっている。
企業規模別に退職金制度の内訳をみると、「退職一時金のみ」の企業の割合は、企業規模の小さいほど高く、「退職一時金と退職年金尾併用」、「退職年金のみ」の企業割合は、概ね企業規模が大きいほど高くなっている。
退職一時金制度
退職一時金の支払準備形態については、「社内準備のみ」と答えた事業がもっもと多く、40.4%であった。次いで「社内準備と退職共済制度等の社外準備と併用」(39.5%)、「社外準備のみ」(18.9%)となっている。
社内準備をしている企業の退職一時金の算出方法は、「退職金算定基礎額×支給率」が60.1%ともっとも多く、「退職金算定基礎額×支給率+一定額」(7.0%)も合わせると67.1%を占める。その場合の算定基礎額の算出方法は、「退職時の基本給」(40.5%)、「退職時の基本給×一定率」(31.0%)、が多数だが、「別テーブル方式」(17.1%)を用いる事業所も多くなっている。
社外準備の方法として、退職金共済制度がどの程度利用されているか調べたところ、「中小企業退職金共済制度(建設業退職金共済制度を含む)に加入」が44.6%。「特定退職金共済制度に加入」が8.7%、「中退共・特退共の両方に加入」が4.3%。「退職金共済制度への加入を予定または検討中」が7.3%であった。一方、「加入予定なし」という回答は35.1%であった。
退職年金制度
退職年金の支払準備形態
退職年金制度を導入している企業の支払準備形態についてみると、「適格年金制度」47.7%、「厚生年金基金制度」が19.9%、「適格年金制度と厚生年金基金制度の併用」が16.0%であった。併用を含めると63.7%が適格年金制度(前回調査69.3%)を、35.9%が厚生年金金制度(前回調査44.0%)を利用している。前回調査結果(平成16年)と比較すると、他制度への移行が義務付けられている「適格年金制度」よりも、「厚生年金基金制度」の減少が目立っている。また、「その他(自社年金・確定拠出年金等)」が大きく増加している。
新しい年金制度への移行について
確定拠出年金法が平成13 年に、確定給付企業年金法が平成14 年に施行され、新しい企業年金の制度がスタートした。特に、従来の適格退職年金については、平成14年4月1日以降は新たな契約を認められず、既存の制度についても、平成江24年3月31日までに、新しい確定給付企業年金制度や中退共制度など、他の制度に移行させることになった。
現在の適格年金制度の移行状況については、「すでに移行済」・「移行を決定している」と答えた事業所の合計は32.2%となり、前回調査(16.5%)を大きく上回った。移行先としては、「中退共等の退職共済制度」(50.0%)、「確定拠出年金」(21.4%)、「確定給付年金」(13.1%)が多かった。
【東京都産業労働局労働相談情報センター】
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