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トップ  >  退職金制度の再構築  >  中小企業退職金制度



中小企業退職金制度



中小企業の退職金・企業年金制度について次のような重要事項を十分ご認識されていますか?

 

1.退職金準備に退職給与引当金制度(損金算入)をご利用されてきた企業の場合:


 退職給与引当金制度は平成14年度から廃止されました。既に積み立てた引当金は10年間で取り崩す必要があります(大企業は4年間での取り崩しが必要です)。

 引き続き損金算入措置を受けながら退職給付資金を準備するには、企業年金制度を利用する必要があります。

 

2.退職金準備に適格退職年金制度をご利用されてきた企業の場合:

 大幅に企業年金制度が改正され、適格退職年金は廃止の方向で整理されることになりました。具体的には平成24年3月末までに他の企業年金制度へ移行するか、または廃止しなければなりません。

 適格退職年金の移行先には、1.確定給付企業年金(規約型企業年金・基金型企業年金)、2.確定拠出年金、3.中小企業退職金共済(中退共)などがあります。

なお、既存の適格退職年金を単に廃止する場合、積み立て年金資産は全額が従業員に分配されることになります。また、その際は従業員分配分に所得税が課税されます。

 

3.適格退職年金の積み立て資産は十分か、チェックされていますか?


 一般に適格退職年金では積み立て不足(過去勤務債務)が発生しており、中にはその不足が大きな水準にまで達していることが少なくありません。

適格退職年金では、本来必要な保険料・掛け金の引き上げが実施されないために、財政状態が年々深刻になっていることに気付かない場合があります。

 したがって、実際に退職金を支払う段階になって、積み立て資産が不足する事態が突然やってくることがあります。

 また、定期的に支払っている保険料・掛け金のうち大半が積み立て不足の解消に当てられているケースもありますので、きちんとしたチェックを行い管理することが重要です。

 

4.企業会計上の退職金や企業年金の不足水準を把握されていますか?


 大企業では、退職金や企業年金の財政状態を会計上に反映させる「退職給付会計基準」が平成12年度から導入されています。

 中小企業においては、大企業と同じような厳密な基準適用がありません。実態が把握されていないために、突然退職金の支払いによる資金が必要になったり、会計上の利益水準等に大きな影響が及ぶことがあります。

 少なくとも退職金の要支給額100%水準を把握し、それと外部に積み立てられている年金資産水準との差額は現時点で引当てが必要な企業の債務であると考えることが重要です。

 

中小企業の退職金・企業年金に関する調査

 

 平成16年のアンケート調査によれば、適年実施の回答社550社のうち94.9%の企業で「適格退職年金は平成243月末までに他制度移行するか、または廃止を選択しなければならない」事実を知っていると回答しています。

 

  一方、適年の廃止または他制度への移行についていは、約8割の企業が「検討が進んでない」と回答しており、いまだ対応い苦慮している状況が窺われます。

 

また、移行先として相応しい制度を問う質問については、

移行先

回答数

割合

1「中小企業退職金共済(中退共)」

296

53.8%

2「確定拠出年金(企業型)」

115

20.9%

3「確定給付企業年金(規約型)」

81

14.7%

    
     の順番であった。

 

 なお、法制度上は平成243月末までに対応策を決定・実施すればよいことになっていますが、時間の経過と共に適格退職年金の財政状態が一層悪化し、企業の最終的な負担が拡大するおそれがありますので十分な注意が必要です

 

【中小企業庁のアンケートより】

 

格退職年金を導入している中小企業へのインパクト

 

1)平成243月末で現在の適格退職年金は実質的に廃止になります。


※既に、新規に適格退職年金を採用することはできなくなっています。

 

2)現在、数万社程度の中小企業が適年を導入していますが、

平成243月末までに

1.積立不足を解消しつつ他の企業年金制度へ移行

2.制度の廃止、又は

3.制度を廃止した上での個人型確定拠出年金の導入

といった選択を迫られることになります。

 

3)移行先の企業年金制度としては、

1.確定給付企業年金(規約型年金)

2.確定拠出年金(企業型年金)

3.中小企業退職金共済(中退共)

 

 

の3つが実質的なものとしてあげられます。

 

4)最終的な選択はどうなるにせよ積立不足の解消労使合意の形成等が必要です。平成24年3月末まで経過期間があるとは言え、適格退職年金を導入している中小企業は、早い段階から自社の年金制度改革に取り組まねば手遅れとなる恐れがあります。特に、時間が経過すればするほど、積立不足という傷口は拡大する恐れがありますので、先送りは基本的に好ましくないことを十分に注意する必要があります。

 

5)なお、平成24年4月以降も既存の契約(適年契約)を継続することは可能ですが、保険料・掛け金支払いの損金算入はできなくなります。

 

中小企業の退職金・年金問題への対応



対応に当たって中小企業に求められる基本的視点

  •  ローバル化、メガ・コンペティションの時代を迎え、中小企業にとって競争力の源泉となるユニークな技術・サービスを生み出す「人材の確保」が不可欠の経営課題

  • 退職金・年金の問題は、企業財務の健全化といった観点のみならず、魅力ある人事制度の構築といった観点からも中小企業経営の根幹に関わる重要問題であり、企業にとって選択肢の増えた新企業年金制度の内容を十分に理解し、各々の企業が最適な制度の導入を図ることが必要




下図の1〜8など多くの選択が可能となります。十分に自社の事情を考慮して、最適な組み合わせを選ぶべきでしょう。

 

企業年金制度はこう変わります


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 日本の企業年金のほとんどは退職金を変形したものです。つまり企業年金の問題は退職金の問題と密接に関係しています。

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